インタビュー

滋賀と世界をつなげる。コワーキングスペース「今プラス」管理人の野望

こんにちは。やえがし(@yegs_)です。

突然ですが、「コワーキングスペース」という言葉をご存知ですか。

 

Google先生に聞くと、このような回答が返ってきました。

独立して働く個人が、机・椅子・ネットワーク設備などの実務環境を共有しながら仕事を行う場所。月極や時間制で借りる形式のものが多いが、利用者同士の積極的な交流や、共働といったコミュニティー形成を促すという点において、従来のレンタルオフィスとは異なる。

出典:コワーキングスペースとは|コトバンク

 

つまり共同で仕事をする場所。簡単に言えば、フリースペースみたいなものですね。

 

読者さん
読者さん
なんか面白そう。でもどうせ都会にしかないんでしょ?

 

このようにイメージしている人も少なくないと思います。ただそんなあなたに朗報です。

なんと滋賀県にも、「コワーキングスペース」というものがあるんですよ。

 

そして今回は、そんなコワーキングスペース「今プラス」を管理している、中野龍馬さんにインタビューしてきました!

 

滋賀県で生まれ育ち、サラリーマン時代を経て滋賀県で独立。

その後、経営者となり挑戦を続けてきた中野さんに「滋賀×コワーキングスペース」をテーマに語っていただきました。

滋賀で育ち、滋賀で起業をした目線から見た滋賀とは?

やえがし
やえがし
今日はよろしくお願いします!

 

中野さん
中野さん
よろしくお願いします!

滋賀を盛り上げる理由はそこに住んでいたから

やえがし
やえがし
中野さんがここまで滋賀を盛り上げる理由はなんですか?

 

中野さん
中野さん
もしぼくが茨城に住んでたら、茨城をめっちゃ盛り上げてたと思いますよ。

 

やえがし
やえがし
それはそこに住んでいるからってことですか?

 

中野さん
中野さん
そうそう!

違うところに住んでいたらそこで頑張っていたと思う。

 

やえがし
やえがし
なるほど。

つまり自分が住んでいる場所を最大限に面白くしてやろうとしている感じですね。

 

中野さん
中野さん
そんな感じ。

自分から住んでいるフィールドを大きくしたいからそこで色々やるんだけど、そうすると周りから「滋賀への愛がすごいね」って言われるんですよね。(笑)

 

やえがし
やえがし
でも好きですよね?

 

中野さん
中野さん
めっちゃ好きです。(笑)ただ無償の愛ではないかな。

もし今から沖縄に引っ越したとして、そこから滋賀のために頑張るかと言われたら頑張らないですね。

おそらく沖縄のために頑張ると思う。

 

やえがし
やえがし
はじめから滋賀のことが好きだったから事業を始めたわけではないってことですね。

 

中野さん
中野さん
そうそう!ただ今は好きよ!

滋賀は拠点とするにはめちゃくちゃ良い

やえがし
やえがし
そもそも滋賀が好きではなかったなら、外に出てみようとは思わなかったんですか?

 

中野さん
中野さん
めっちゃ出たかったです。(笑)

高校を卒業したら絶対出たいって思ってました。

 

中野さん
中野さん
あ、でも実は一回出てるんですよ!だけどそれは1ヶ月とかで。

 

やえがし
やえがし
ちょっとした留学みたいな。

 

中野さん
中野さん
そうそう。(笑)

でも帰ってからは絶対出たいって気持ちもなくなりましたね

 

やえがし
やえがし
それはどうしてですか?

 

中野さん
中野さん
滋賀って拠点にするにはめちゃくちゃ良い場所なんですよね。

人も多くないし。何かをしようって人も少ないから何でもし放題だし。海外へ行くにも関空まで2時間近くで行けるし。

何より生活する上でのコストがめちゃくちゃ低い。

 

中野さん
中野さん
だから滋賀を拠点にして、そこから色んな場所に行こうっていう考え方になりました。

 

やえがし
やえがし
やりたいことがやりやすいってことですね。

 

中野さん
中野さん
そうそう。

違うところに住むというよりは違うところに何回も行くみたいな。そのほうが面白いと思って。

 

やえがし
やえがし
ということは、これからはずっと滋賀ですか?

 

中野さん
中野さん
拠点は滋賀かな。

ただ理想は1ヶ月の半分は滋賀にいるけど、もう半分はアフリカにいるみたいな。

 

やえがし
やえがし
めっちゃ面白そう。

滋賀を良くするためにはプレイヤーが必要不可欠

やえがし
やえがし
こうしたら滋賀はもっと良くなるのにな、と思うことはありますか?

 

中野さん
中野さん
それは絶対的にプレイヤー数ですね。

 

やえがし
やえがし
プレイヤー数?

 

中野さん
中野さん
実際に行動する人。

大小関わらず実際に形にできて、新しい価値を作り出せるプレイヤーが多ければ多いほど楽しくなりますね。

 

中野さん
中野さん
ただ誰でも良いわけではないですね。

やる人の要素は重要だと思います。

 

やえがし
やえがし
なるほど。

具体的にこの要素を持っている人がいい、とかはありますか?

 

中野さん
中野さん
やっぱり感度が高い人とか、何か新しいチャレンジをするときに上手くいく条件を知っている人。あとは実現させるための技術とか知見を持っている人。

この要素を持っている人は、Uターンした人に多いかな。

 

やえがし
やえがし
Uターンって?

 

中野さん
中野さん
例えば滋賀にもともと住んでいて、大学入学で東京とか大阪に行って、そこで色んなことを学んで滋賀に帰ってきた人。

そんな人が1万人くらいいたらめっちゃ面白くなると思いますよ。

 

やえがし
やえがし
なるほど。

 

中野さん
中野さん
こう人を巻き込めたり何かを大きくするには、やっぱりそういう要素が必要なんですよね。

ぼくの経験では、Uターンした人はその要素を持っている割合が大きい。

 

やえがし
やえがし
割合が大きいというのは?

 

中野さん
中野さん
例えば滋賀で美味しいと言われているラーメン屋さんでも、東京とか大阪に出ればそれと同じレベルのお店がたくさんありますよね。

それと同じで、田舎では「この人頭の回転すげぇ」「めっちゃキレる」と言われるような人も、東京とか大阪に出ればいっぱいいるじゃないですか。

 

中野さん
中野さん
やっぱりそういう文化に慣れておくと基礎レベルって上がるんですよ。これは結構重要。

 

やえがし
やえがし
一つの場所しか知らない人より、色んな場所を見てきた人のほうが自分の中でのハードルが高くなるんですね。

 

中野さん
中野さん
そうそう。もちろんずっと田舎にいる人も頑張ることが必要だけど、それよりもUターンの人がやったほうが早い。

行動も早いし、やることも大きくできるし。

 

やえがし
やえがし
舞台を会社にしても同じような話ですよね。

会社にはもちろん働き手がいますけど、その人たちは会社の慣習とかに従っているうちに勝手に限界を決めてしまう。

ただそんな限界なんて知らない新入りが入ってくることで、そういう限界をぶち壊すみたいな。

 

中野さん
中野さん
そうそうそう。そういう人は滋賀が良くなるためには絶対に必要。

 

中野さん
中野さん
あとは全くルーツがない大学生が地域に絡んでいったらめっちゃ面白いと思うんですよ。

きっと誰かやっているんだろうけど、代表例ってまだないですよね。それが滋賀で誕生したら超面白いやんと思って。

そういう要素を持つ人にやえがしさんがなったら、そこからまた派生すると思うし。

コワーキングスペース「今プラス」は情報共有の場

田舎でやるからこそ、希少価値が生まれる

やえがし
やえがし
そんな滋賀県を良くするために行っている事業がコワーキングスペース「今プラス」だと思います。

ただそもそも始めようと思ったきっかけはなんですか?

 

中野さん
中野さん
同業者で一緒に仕事できて喋りながら、情報共有などできたらめっちゃ面白いと思って始めました。

それに元々はここじゃなくて、歩いて40分くらいにある古民家でやってました。

 

やえがし
やえがし
40分って結構じゃないですか。

 

中野さん
中野さん
結構ですよ。

一年前に大学生が歩いてきてくれたんですけど、汗ダクダクでした。

 

やえがし
やえがし
それはやばいです。(笑)

ただそもそも「今プラス」がある場所が、言ってしまえば僻地にありますよね。

一度移すなら他の場所でやろうとは思わなかったんですか。

 

中野さん
中野さん
それは全く思わなかったですね。

なぜかというと、移転するときに大きな借り入れをしたんですよ。だからビジネスとしてしっかり成り立たせなきゃいけないじゃないですか。

そこで日本と海外のコワーキングスペースを回ってみようって思ったんですよ。それを半年くらい。

どこでもできるようなお金は借りれたんですけど、田舎でやる方が前例がないなって思ったんですよね。

 

中野さん
中野さん
47都道府県それぞれにコワーキングスペースはあるんですけど、田舎にはなかったのでここで上手くいかせたらそれだけでオリジナルになると。

あとここで僕がやらんかったら誰もやらないと思うんですよね。

仮に都会でやっても田舎でやる人は現れない。

それは田舎でもできると実証されてないから。

 

やえがし
やえがし
前例がないから。

 

中野さん
中野さん
そうそう。だからお金かけてそこでやろうとする人は現れない。

でももし田舎でやれば、ぼくの前例があるから次々出て来る。都会でもやりたいと思える人が出てくる。

そもそもコワーキングスペースって、全然認知度なくないですか。(笑)

 

やえがし
やえがし
確かにキツいですよね。

認知度も低いのに、さらに人が少ないところでやろうとすると。

 

中野さん
中野さん
でもチャレンジになるし、一回コワーキングスペースを使った人って他のコワーキングスペースも使うんですよね。

例えば「今プラス」を使っている人は、他のところはどうなんだろって他のところ行ってみるんですよ。

極端な話、隣にできてもいいと思ってるんですよね。

むしろ使ってくれる人の分母が増えるからめちゃめちゃいい。

 

やえがし
やえがし
隣にできても経営が成り立つってすごいですね。(笑)

「今プラス」ではユーザーをもっと増やしたい

やえがし
やえがし
中野さんが思い描く、「今プラス」の理想像などはありますか?

 

中野さん
中野さん
今プラスの理想像は、外部の人たちの活動拠点を作って、地元+外部の人たちが普段からいっぱいいるスペースにしたいです。

そうすれば使う人が増えるに従って、スペースも広げられるじゃないですか。

 

やえがし
やえがし
なるほど。

てっきり事業を他に色々拡大して行きたいものだと思ってました。

 

中野さん
中野さん
「今プラスⅡ」みたいなのはしないです。

ただ自分がしたい事業をどんどんしていきたい感じですね。

 

やえがし
やえがし
なんか違うチャレンジができるみたいな。

それがかえっていい方向になったりしますよね。

 

中野さん
中野さん
そうそう。

実は地方で新しいチャレンジをし続けている人は結構少ないんですよね。

そうすると周りから「あそこめっちゃうまくいってる」「あの人めっちゃうまくいってる」とか言われる。

そうすると事業はどんどん回る。

特に地方はそういうのがめっちゃ顕著ですね。

 

やえがし
やえがし
その姿を見て、「自分もやってみたい」という人が出てくるんですね。

 

中野さん
中野さん
そうそう。でその人にいうんですよ。

「あの、大して儲からないですよ?」って。

ほとんどは「考えます」って返ってきます。(笑)

これからは、滋賀と世界をつなげるビジネスを

やえがし
やえがし
中野さんの今後の夢や展望があれば教えてください!

 

中野さん
中野さん
全部で二つあって、一つ目は「滋賀と世界」というキーワード。

「滋賀と世界」というのは、滋賀と世界をつなぐビジネスをやりたいということ。

具体的には来年始まる予定のデジタルノマドが集まる国際交流型のシェアハウス。

そういう場所があれば東京や大阪といった都市圏を飛ばして、滋賀と世界をつなぐビジネスがまず1個できる。

そういうのを10個くらいしたいと思っています。

 

中野さん
中野さん
二つ目は世界の人が使えるWebサービスを作りたいと考えています。

昔からプログラミングがすごい好きで。

FacebookとかTwitterとかあるじゃないですか。あれってお金かからずに、一人のレベルでできるので。これが35歳くらいまでに。

 

やえがし
やえがし
今おいくつでしたっけ?

 

中野さん
中野さん
今は31歳です。

もうすぐ32歳になるので、あと3年くらいかけてしっかりと自分のビジネスとしてやっていきたいですね。

 

やえがし
やえがし
なるほど…!応援しております!

大学生は、とにかく人に会いに行け

やえがし
やえがし
最後に、このブログを見ている大学生に伝えたいことやアドバイスがあればお願いします!

 

中野さん
中野さん
とりあえずやってみるというのはよく聞きますよね。

ただとりあえずやってみる前にもやれることはあって。

それは、自分のやりたいと思っていることで上手くいっている人に話を聞きに行くこと。

あと上手くいってない人にも話を聞きに行く。これを合わせて5人くらいに聞いたらいいと思いますね。

 

やえがし
やえがし
なるほど

 

中野さん
中野さん
とりあえず何かをやるというのはすごい大切。

ですけどその前に実際にやっている人に話を聞いておいたほうが、最初の方向性が間違った道ではないっていうのも分かるじゃないですか。

この記事を読んでいるのは何かしたいと思っている人が多いと思うので、とりあえず何でもいいからやりたいことを決める。

そしたら上手くいっている人2、3人に、上手くいってない人2、3人に、どうにかして話を聞く。

 

やえがし
やえがし
話を聞きに行くのもハードル高そうですね

 

中野さん
中野さん
ただ大学生だとすごい聞きやすいですね。大人はみんな教えたがりなんで。

 

やえがし
やえがし
確かにスキあれば、口出してくる大人いますね

 

中野さん
中野さん
そうそうそう。

「大学生です!これからこんなことしようと思っています!」って言ったらみんな厳しめに意見言ってくれると思いますね。

その意見は核心をついている部分があったりするんで、「そうなんですね!」ってひたすら聞いとくといいと思う。

 

やえがし
やえがし
めちゃくちゃ参考になりました。

 

 

やえがし
やえがし
これでインタビューは以上です。ありがとうございました!

 

中野さん
中野さん
こちらこそありがとうございました!

 

おわりに

滋賀と世界」をテーマに、日々挑戦を続けている中野さん。

中野さんが思い描く数